2025.08.13
【ご案内】次世代医療レーザー脱毛機「スプレンダーX」について
皆様、こんにちは。 日頃より当院の診療にご理解とご協力を賜り、誠にありがとうございます。
この度、当院では患者様により質の高い脱毛治療を提供するため、最新の医療レーザー脱毛機「スプレンダーX」を新たに導入いたしましたので、ご報告いたします。
「スプレンダーX」は、日本の厚生労働省より「長期的な減毛」を目的とした医療機器として薬事承認(医療機器承認番号:30400BZX00021000)を取得しており、その安全性と有効性が公的に認められています 。
その主な特長について詳しくご説明いたします。
「スプレンダーX」の特長
1. 【多様な毛質・肌質への対応】2波長同時照射技術「BLEND X®」
人体には、部位によって毛の太さや毛根の深さが異なります。従来機では、これらの異なる特性を持つ毛に対し、レーザーの種類を使い分けたり、十分な効果が得にくい場合がありました。
スプレンダーXは、世界で初めて性質の異なる2種類のレーザーを同時に、かつ連続的に照射できる「BLEND X®」技術を搭載しています 。
-
アレキサンドライトレーザー(波長755nm): メラニン色素への吸収率が高く、皮膚の浅〜中間層に存在する比較的細い毛の脱毛に有効です 。
- Nd:YAGレーザー(波長1064nm): 波長が長く皮膚の深層まで到達するため、VIOや男性のヒゲのような深く根強い毛に効果的です 。また、メラニンへの吸収が比較的マイルドなため、表皮メラニンへの影響が少なく、肌の色調が濃い方や日焼けした肌(※)にも安全性の高い照射が可能です 。
(※炎症を起こしている重度の日焼けは除きます)
-
この2波長を患者様一人ひとりの肌質・毛質に合わせて最適な比率でブレンド照射することにより、一度の施術で、異なる深さ・太さの毛組織に対して効率的に熱エネルギーを到達させることが可能です 。
2. 【施術の効率性】大口径スクエアスポットによる均一な照射 スプレンダーXは、27×27mmという大口径の四角い照射口(スクエアスポット)を採用しています 。従来の円形スポットと比較して、照射野の重複(オーバーラップ)や照射漏れのリスクを低減し、均一なエネルギー分布を実現します 。これにより、施術時間が大幅に短縮され、患者様の身体的ご負担を軽減します 。
3. 【疼痛緩和と安全性】デュアルクーリングシステム(DCS) 医療レーザー脱毛における疼痛は、レーザーの熱エネルギーが皮膚表面に与える刺激が主な原因です。スプレンダーXは、この熱影響を最小限に抑えるため、二重の冷却機能を搭載しています 。
コンタクトクーリング: 照射ヘッドの先端が皮膚に接触する部分を直接冷却します。
クライオエアー: 照射と同時に皮膚表面に冷風を吹き付けます。
この「デュアルクーリングシステム」により、皮膚表面を強力に保護しながら毛根には十分な熱エネルギーを届けることができ、疼痛と熱傷(やけど)のリスクを大幅に軽減します 。また、冷却ジェルを使用しないため、ジェルの不快感がなく、施術時間の短縮にも繋がります 。
4. 【副次的な皮膚への作用】 スプレンダーXが用いるレーザー波長は、真皮層のコラーゲン産生を促す作用も報告されています。そのため、脱毛治療の過程で、毛穴の引き締めや肌理(キメ)の改善といった副次的な効果が期待できる場合があります 。ただし、これはあくまで脱毛を主目的とした出力設定での効果であり、美肌治療を目的とした施術とは異なります。
このようなご要望をお持ちの方に適した治療法です
-
過去の脱毛法で満足のいく効果が得られなかった方
-
施術時の疼痛に不安があり、治療を躊躇されていた方
-
肌の色調が濃い、または日焼けしている等の理由で、従来のレーザー脱毛が困難と判断された方
-
産毛から剛毛まで、様々な種類の毛が混在する部位の脱毛を希望される方
-
多忙なため、できるだけ短時間で施術を完了させたい方
-
科学的根拠に基づいた、安全性の高い医療機器による施術を希望される方
医療脱毛の医学的定義と重要性
ここで改めて、医療機関で行う「医療レーザー脱毛」と、エステサロン等で行われる「光脱毛」の根本的な違いをご説明します。
毛の再生組織である毛乳頭や毛母細胞を破壊し、長期的な減毛効果をもたらす行為は、日本の法律で「医行為」と規定されており、医師または医師の監督・指示のもと、国家資格を持つ看護師のみが実施を許可されています 。エステサロンの光脱毛は、出力が弱く毛組織を破壊できないため、その効果は一時的な「抑毛・減毛」にとどまります 。一方、医療脱毛は少ない回数で計画的に減毛を進めることができ、万が一、熱傷や毛嚢炎といった皮膚トラブルが生じた場合でも、医療機関として迅速かつ適切な診断と治療(薬の処方など)を行うことが可能です 。ご自身の身体に関わることだからこそ、医学的根拠に基づいた安全で確実な方法を選択されることが極めて重要です。
施術後の注意点について
レーザー照射後の皮膚は、熱の影響で乾燥しやすく、バリア機能が一時的に低下しています。治療効果を最大限に高め、合併症のリスクを低減するため、以下の点にご留意ください。
-
保湿: 施術後は、低刺激の保湿剤で十分に保湿を行ってください。乾燥は、赤みや痒み、毛嚢炎のリスクを高める一因となります 。
-
紫外線対策: 照射後の皮膚は紫外線に対して敏感になっています。色素沈着を防ぐため、日焼け止めを使用するなど、紫外線対策を徹底してください 。
-
血行促進行為の回避: 施術当日は、入浴をシャワーで済ませ、飲酒や激しい運動など体温を上昇させる行為はお控えください。血行が促進されると、赤みや腫れが遷延する可能性があります 。
最後に
当院は、皮膚科専門医として、科学的根拠に基づいた安全かつ効果的な治療を提供することを使命と考えております。今回導入した「スプレンダーX」は、その理念を実現するための、非常に信頼性の高い選択肢です。
脱毛に関するお悩みや、ご自身の肌質・毛質で治療が可能かといったご質問がございましたら、どうぞお気軽に受診してください。お一人お一人に適した治療計画をご提案いたします。