
雪国の田畑では、季節がめぐるたびに草花が芽吹き、やがて枯れ、また新しい芽が顔を出しますね。じつは私たちの毛にも、これとよく似た「生えかわりのリズム」があります。これを毛周期(もうしゅうき)と呼び、毛は伸びる時期(成長期)・抜けていく時期(退行期)・お休みの時期(休止期)をくり返しています。この自然なサイクルに合わせて少しずつ照射していくのが、医療レーザー脱毛の考え方です。
医療レーザー脱毛は、毛の黒い色素であるメラニンにレーザーの熱を集め、毛を作り出すおおもとの組織(毛包(もうほう)・毛乳頭(もうにゅうとう))にダメージを与えて、毛を少しずつ減らしていく医療行為です。医療機関だけが扱える出力のレーザーを、医師の管理のもとで使います。エステサロンなどで行われる光(IPL)による脱毛とは、出力や目的が異なるものだとお考えください。
なお「永久脱毛」という言葉を耳にされることがあると思いますが、医療脱毛でいう永久的な減毛とは、一般に「一定期間ののちも毛の再生率が安定して低い状態」を指す言葉として使われています。当院では、効果には個人差があることを前提に、無理のない範囲でお手伝いをしてまいります。
ご自身の毛質・肌質に合うかどうかは、まず診察でていねいに確認いたします。気になる点はどうぞご遠慮なくご相談ください。
レーザー脱毛は、毛だけでなく皮膚にも熱が加わる施術です。ですから、肌質や毛質を正しく評価し、一人ひとりに合った出力を選び、万一のトラブルにも医療として対応できることがとても大切だと考えています。
エステサロンなどでの光脱毛では、まれに熱傷(やけど)や肌トラブルが生じ、あとから医療機関を受診されるケースが報告されています。医療脱毛は、こうしたトラブルへの対応まで含めて、医師の管理のもとで行える点が大きな違いです。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医として、皮膚全体を診る視点で安全に配慮してまいります。
当院では、脱毛機器としてSPLENDOR X(スプレンダーエックス/Lumenis社)を主に使用しています。この機器の大きな特長は、755nm(ナノメートル)のアレキサンドライトと、1064nmのNd:YAG(ヤグ)という2つの波長(はちょう)を、独自の「BLEND X(ブレンドエックス)」という技術で同時に、しかも比率を調整しながら照射できる点にあります。これが「よくばり脱毛」と呼ばれる理由です。
また、症例や肌質に応じて、補助的にキャンデラ社のジェントルマックス系(GentleMax)のレーザーを用いることもあります。こちらもアレキサンドライト(755nm)とNd:YAG(1064nm)を切り替えて使える機器で、照射の直前に冷却ガスを噴射するダイナミッククーリング(DCD)で皮膚を守り、痛みをやわらげます。産毛から根深い毛、色黒の肌まで対応しやすい定番の機器です。
初めての方にも安心していただけるよう、当院での大まかな流れをご紹介します。
照射後は赤みが出ることがありますので、その日は保湿と日焼け対策をていねいに行っていただきます。気になる症状があれば、いつでもご相談ください。
レーザーは、毛に含まれる黒い色素(メラニン)に吸収されると熱に変わります。その熱が毛包や毛乳頭に伝わり、毛を作る働きをおさえていきます。周りの皮膚は冷却で守りながら、黒い毛のところにねらって熱を届けるイメージです。下の図で、毛の断面と毛周期を見てみましょう。
このように、レーザーが届きやすいのは主に成長期の毛です。一度にすべての毛が成長期にあるわけではないため、毛周期に合わせて回数を重ねていく必要があります。
医療レーザー脱毛は、一度で終わるものではありません。毛周期に合わせて、複数回(一般に数回〜)を、数週から数か月おきに重ねていくのが目安です。
具体的な回数や間隔は、診察のうえで一人ひとりに合わせてご提案します。焦らず、毛の生えかわりのリズムに寄りそって進めていきましょう。
医療行為である以上、レーザー脱毛にもリスク・副作用があります。あらかじめご理解いただいたうえで受けていただくことが大切です。
次のような方は、受けられない、または注意が必要です。
釣りや農作業、マリンスポーツなどで日焼けしやすい季節は、肌の状態を見ながら時期や設定を調整します。ご心配な点は遠慮なくお伝えください。
医療機器には、国内で薬機法(医薬品医療機器等法)にもとづく承認を受けているものと、そうでないものがあります。この点について、正しくお伝えしておきます。
当院では、これらの点をご説明したうえで、医師の管理のもとに安全へ配慮して使用しています。※機器の最新の承認状況は当院にご確認ください。
個人差がありますが、SPLENDOR Xは照射と同時に冷却するしくみ、ジェントルマックスは冷却ガスの噴射(DCD)で、痛みや熱の負担にできるだけ配慮しています。痛みが心配な方は、施術中もお気軽にお声がけください。
部位や毛質によって異なります。毛周期に合わせて複数回を重ねていくのが一般的です。診察のうえで、一人ひとりに合わせた目安をご提案します。
1064nm(Nd:YAG)の波長は色黒肌・日焼け肌にも比較的向いています。ただし濃い日焼け直後などはリスクが高まるため、肌の状態を診てから設定を判断します。
755nm(アレキサンドライト)はメラニンへの吸収が高く、産毛や薄い毛に向きやすい波長です。毛の状態には個人差があるため、効果を保証するものではありません。
医療レーザー脱毛は、医療機関だけが扱える出力のレーザーを、医師の管理のもとで使います。トラブル時に医療として対応できる点も大きな違いです。エステの光脱毛とは出力・目的が異なります。
照射後は赤みが出ることがあります。保湿と日焼け対策をていねいに行い、刺激を避けてください。気になる症状があれば、いつでもご相談ください。
同じレーザー脱毛でも、波長によって「どんな毛・どんな肌に向くか」が変わります。当院ではこの2波長を使い分け、あるいはブレンドして照射できることを強みと考えています。
| 波長 | 種類 | 向いている毛・肌 |
|---|---|---|
| 755nm | アレキサンドライト | メラニンへの吸収が高く、産毛・薄い毛に向きやすい |
| 1064nm | Nd:YAG(ヤグ) | 深く届き、太い毛や色黒肌・日焼け肌に向きやすい |
SPLENDOR XではこれらをBLEND Xで同時に、ジェントルマックスでは切り替えて使えます。毛や肌の状態は部位ごとにちがいますので、診察のうえで最適と考えられる設定を選んでいきます。
医療レーザー脱毛は、毛の生えかわりのリズム(毛周期)に合わせて、黒い色素にレーザーの熱を集め、毛を少しずつ減らしていく医療行為です。当院の主な機器SPLENDOR X(よくばり脱毛)は、755nmと1064nmの2波長をBLEND Xで同時に、比率を調整して照射できることが特長で、幅広い毛質・肌質に配慮しやすい機器です。補助的にジェントルマックスも用います。効果や感じ方には個人差があり、リスク・副作用もありますので、医師の診察のもとで安全に配慮しながら進めていくことが大切です。新潟県三条市のけんおう皮フ科クリニックでは、皮膚の専門医として、一人ひとりの肌に寄りそったお手伝いをしてまいります。どうぞお気軽にご相談ください。