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糸リフト(スレッドリフト)とは

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糸リフト(スレッドリフト)とは

釣りの仕掛けに使う「返し(かえし)」の付いた針を思い浮かべてみてください。一度引っかかると、ちょっとやそっとでは外れませんね。糸リフトは、この「返し」とよく似た小さなとげ(コグと呼びます)が付いた、体の中で溶けていく細い糸を、皮膚の下にそっと通す施術です。とげが皮膚の下の組織に引っかかり、たるんで下がってきた頬やフェイスラインを、少しだけ上に引き上げます。メスで切らずに、糸の力で顔のたるみにアプローチする方法だとお考えください。

年齢とともに「頬の位置が下がった」「フェイスラインがぼやけてきた」「ほうれい線が深くなった気がする」といったお悩みは、多くの方が感じるものです。糸リフトは、こうした軽い〜中くらいのたるみに対して、比較的手軽にリフトアップを試したい方に向けて行われてきました。ただし、当院ははじめに正直にお伝えしておきたいことがあります。糸リフトは「切らずに大きく若返る魔法」ではありません。後ほどくわしく説明しますが、期待できる効果は控えめで、持続する期間も長くはなく、日本ではまだ承認された糸が一つもないという事情もあります。良い面だけでなく、こうした限界やリスクまで知っていただいたうえで選んでいただくことを、当院はとても大切にしています。

糸リフトのしくみの断面図。とげ(コグ)のついた溶ける糸を、皮膚のすぐ下の皮下脂肪の層(表情筋の膜=SMASより浅い層)に通し、ゆるんで下がった組織を引っかけて斜め上方向へ引き上げるようす。より深い咬筋や頬脂肪体(buccal fat)には入れないことを示す皮膚断面の模式図
図:とげ(コグ)付きの溶ける糸を、皮膚のすぐ下の皮下脂肪の層(表情筋の膜=SMASより浅い層)に通し、ゆるんで下がった組織を引っかけて斜め上方向へ引き上げます。より深い咬筋や頬脂肪体には入れません。糸は時間とともに溶け、周囲にコラーゲンがつくられていくと考えられています。

なぜ美容皮膚科で受けるべき?

糸リフトは、皮膚の下に糸という「異物」を入れる施術です。エステサロンで受けられる肌の表面のケアとは、根本的にまったく違うものだとご理解ください。皮膚を貫いて糸を通す行為は、法律上、医師(または医師の指示のもとで行う医療者)しか行うことができない医療行為です。エステティックサロンやセルフケアで行えるものではありませんし、そのような施術を受けることは大きな危険を伴います。

また、顔の皮膚の下には、表情を動かす神経(顔面神経)や太い血管、唾液を出す管など、傷つけてはいけない大切な組織がたくさん通っています。どこを、どのくらいの深さで、どの向きに糸を通すのか。ここには解剖(体の構造)の正確な知識が欠かせません。皮膚と皮膚の下の構造を日々診ている皮膚科・美容皮膚科の専門医が担当することの意義は、まさにここにあります。

さらに大切なのが、万一トラブルが起きたときの対応です。糸リフトでは、後述するように感染や糸が透けて見える、しこりができる、といったことが起こり得ます。こうしたとき、その場限りではなく、抗菌薬の処方や糸の抜去、経過の見守りまで一貫して診てもらえる医療機関で受けることが、患者さんの安心につながります。当院は「入れたら終わり」ではなく、その後の経過まで責任を持って診ることを前提に施術を行っています。

当院での糸リフトへのこだわり

  • 「効果もリスクも先にお話しする」姿勢:糸リフトは公的な診療指針でも「一時的な改善は期待できるが効果は大きくなく、持続も短め」と位置づけられています。当院は良い面だけを強調せず、限界と副作用を先にご説明してから、受けるかどうかを一緒に考えます。
  • 日本皮膚科学会認定専門医が担当:皮膚と皮下組織の構造を熟知した専門医が、たるみの程度を診たうえで、そもそも糸リフトが向くのか、別の方法がよいのかまで含めてご提案します。
  • 国内未承認品であることを必ず書面で説明:日本には承認された糸が一つもありません。当院ではこの事実と、健康被害が起きても国の救済制度の対象外となることを、施術前に必ずご説明します。
  • 三条市で通いやすい立地:三条燕ICから車で1分、JR燕三条駅から徒歩7分。30台+第2駐車場26台をご用意し、新潟県内の遠方からもお車で通いやすくしています。
  • キッズルーム完備・日曜診療あり:小さなお子さま連れでもご相談いただけるようキッズルームを備え、日曜診療(月1〜2回)も行っています。
  • 費用は税込・自由診療と明示:あとから「思っていた金額と違う」とならないよう、費用は税込・自由診療であることを含めて、施術前にはっきりお伝えします。

こんなお悩み・年齢別の特徴

糸リフトが比較的向くのは、軽い〜中くらいのフェイスラインや頬のたるみが気になり始めた方です。逆に、皮膚が大きく余ってしまっているような強いたるみには、糸の力だけでは十分に対応できません。そうした場合は、切開を伴う手術(フェイスリフト)のほうが向くこともあります。ご自身がどの段階かは、診察でご一緒に確認しましょう。

  • 30代:大きなたるみはまだ目立たないものの、「夕方になると頬が下がって見える」「写真でフェイスラインがぼやける」と感じ始める方がいます。ごく初期の変化に、軽い引き上げを試したいという相談が多い年代です。
  • 40代:頬のふくらみが下がり、ほうれい線やマリオネットライン(口角から下に伸びる線)が気になり始める方が増えます。糸リフトの適応として相談が多い年代ですが、効果は控えめであることを前提にお考えください。
  • 50代以降:皮膚のたるみがしっかり出てくると、糸だけでは満足のいく引き上げが難しいことも少なくありません。手術やほかの方法との比較を含めて、慎重に検討する必要があります。

なお、糖尿病などで感染しやすい方、血が止まりにくいお薬を飲んでいる方、金属やお肌にアレルギーのある方などは、そもそも施術に向かないことがあります。年代だけでなく、体質や持病も含めて総合的に判断します。

糸リフトの仕組み(なぜ引き上がるのか)

糸リフトの引き上げには、大きく分けて二つの働きがあると考えられています。

一つめは、物理的に引っかけて持ち上げる力です。とげ(コグ)の付いた糸を皮膚の下に通すと、それぞれのとげがまわりの組織を捕まえます。たくさんの小さな「返し」が組織を引っかけることで、下がってきた頬などを上方向に寄せて固定するイメージです。ちょうど、ほどけかけた網を細い糸で編み直して形を整えるような働きだとお考えください。

二つめは、糸のまわりに体が反応して起こる変化です。糸は体にとって異物ですから、まわりの組織がそれを取り囲むように反応し、コラーゲンと呼ばれる線維がつくられると考えられています。これによって、多少の引き締まりが期待できるとされています。

ここで大切なのは、糸そのものは時間とともに体の中で分解されて溶けてなくなる、という点です。溶ける糸を使うことで、体内にずっと異物が残らないという利点がある一方で、糸が溶けていくにつれて引き上げの力も弱まっていくことになります。これが、糸リフトの効果が長続きしにくい理由の一つです。とげで引っかける力も、体がつくる線維も、たるみの重力にずっと打ち勝てるほど強いものではない、というのが正直なところです。

治療の流れ

治療の流れ:まず診察でたるみの程度を確認し、糸リフトが向くか、リスクも含めてご説明します。ご納得いただけたら、局所麻酔などで痛みをやわらげたうえで、細い針やカニューレ(先の丸い管)を使って糸を皮膚の下に通していきます。糸の本数や向きは、たるみの状態に合わせて決めます。施術そのものは、本数にもよりますが数十分程度で終わることが一般的です。

効果・回数・ダウンタイム・費用

期待できる効果と持続:国が関わる形でまとめられた「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」では、糸リフトについて「一時的な改善は期待できるが、効果は大きくなく、持続する期間も短めである」と評価され、推奨度は2(条件によっては行ってもよいが、強くはすすめない)とされています。当院がくり返し「効果は控えめです」とお伝えするのは、このような公的な評価にもとづいています。劇的に若返る施術ではないことを、どうか前提としてお考えください。

回数の目安:効果が永続するものではないため、しばらくして引き上げが弱まった段階で、ご希望に応じてくり返し検討することになります。ただし、くり返すほど費用の負担も増え、糸を入れる回数が増えることにともなうリスクもあります。回数ありきではなく、そのつどご相談のうえ判断します。

ダウンタイム(回復までの期間):施術後は、数日〜しばらくの間、腫れ・つっぱり感・内出血(青あざ)などが出ることがあります。口を大きく開けたときの引きつれ感を覚える方もいます。多くは時間とともに落ち着いていきますが、感じ方には個人差があります。

費用:1本あたり22,000円(税込・自由診療)です。糸リフトは健康保険の使えない自由診療で、必要な本数は状態によって変わります。総額の目安は診察のうえでお伝えします。

リスク・副作用:腫れ・内出血・つっぱり感のほか、まれではありますが感染、しこり(肉芽腫)、糸が透けて見える・ひきつれる、左右差、糸が飛び出す、そして重いものとして糸の抜去が必要になる感染や、顔面神経の麻痺といった重篤な合併症が起こり得ます。神経の麻痺は、表情が動かしにくくなるなど生活に関わる問題につながることがあります。頻度は高くないとされますが、ゼロではありません。こうした重い合併症が起こり得ることも、施術前に必ずご説明します。

受けられない方(禁忌):妊娠中・授乳中の方、施術部位に感染や炎症がある方、血が止まりにくいお薬を飲んでいて中止できない方、ケロイド体質の方、糸の素材にアレルギーのある方、感染しやすい持病のある方などは、施術をお受けいただけない、または慎重な判断が必要になります。

国内未承認であることについて(重要):糸リフトに使われる糸は、日本国内で承認されたものが現在一つもなく、すべて国内未承認品です。当院を含め、国内で使われている糸は医師が個人の責任で輸入するなどして用いています。そして、国内未承認の医療機器による健康被害は、万一起きたときに国の医薬品副作用被害救済制度の対象外となります。この点を十分にご理解いただいたうえで、お選びいただく必要があります。

最新の料金は「料金表」でご確認ください

施術後のケアと日常生活のポイント

  • 当日〜数日は顔を強くこすらない・強いマッサージを避ける:糸が落ち着くまで、頬を強く押したり引っぱったりする動作は控えてください。洗顔もやさしく行いましょう。
  • 大きく口を開ける動きに注意:大あくびや硬いものを大きな口で頬張るなど、顔を大きく動かす動作は、しばらく控えめにしてください。ひきつれ感が強まることがあります。
  • 腫れや内出血は冷やして安静に:施術後に腫れが気になるときは、無理をせず安静を心がけてください。内出血(青あざ)は時間とともに薄くなっていきます。
  • 飲酒・激しい運動・長風呂は数日控える:血流が良くなりすぎると腫れや内出血が強く出ることがあります。当日〜数日は控えめにしましょう。
  • 発熱・強い痛み・赤み・膿が出たときはすぐ連絡を:これらは感染のサインのことがあります。がまんせず、早めに当院へご連絡ください。早い対応が重い合併症を防ぐことにつながります。
  • 気になる左右差やひきつれも相談を:落ち着くまでに時間がかかることもありますが、心配なときは自己判断せず受診してください。

よくある質問(FAQ)

  • 糸リフトを一度受ければ、たるみは元に戻りませんか?

    いいえ。糸は時間とともに溶けてなくなり、引き上げの力も弱まっていきます。公的な診療指針でも「効果は大きくなく、持続も短め」とされています。永続する施術ではないとお考えください。

  • 切る手術(フェイスリフト)より糸リフトのほうが良いのですか?

    一概には言えません。糸リフトは切らずに済み負担が軽い一方で、効果は控えめです。たるみが強い場合は手術のほうが向くこともあります。どちらが合うかは、たるみの程度によって変わります。

  • 使う糸は安全なものですか?

    溶ける素材が使われますが、日本では承認された糸が一つもなく、すべて国内未承認品です。万一の健康被害は国の救済制度の対象外となります。この点をご理解いただいたうえでご検討ください。

  • 痛みやダウンタイムはどのくらいですか?

    麻酔で痛みをやわらげて行います。施術後は数日〜しばらく、腫れ・つっぱり感・内出血が出ることがあります。感じ方には個人差があります。

  • 重い副作用が起こることはありますか?

    頻度は高くないとされますが、感染による糸の抜去や、顔面神経の麻痺などの重い合併症が起こり得ます。だからこそ、事前の説明と、トラブル時に一貫して診られる体制が大切だと当院は考えています。

  • 何本入れれば効果が出ますか?

    たるみの程度によって必要な本数は変わります。本数が多いほど費用も負担も増えます。診察のうえで、無理のない範囲をご提案します。

まとめ

糸リフトは、とげの付いた溶ける糸で下がった組織を引っかけて持ち上げる、切らないたるみ治療です。手軽さという良い面がある一方で、公的な診療指針でも「効果は大きくなく持続も短め」と評価され、国内に承認された糸が一つもないこと、そしてまれに感染や顔面神経の麻痺といった重い合併症が起こり得ることを、正直にお伝えしなければなりません。当院は、こうした限界とリスクを先にお話ししたうえで、本当に糸リフトが合うのかどうかを一緒に考えることを大切にしています。

新潟で「頬やフェイスラインのたるみが気になるけれど、どの方法が自分に合うのか分からない」とお悩みの方は、まず当院にご相談ください。三条市の当院では、皮膚科専門医がたるみの状態を診たうえで、糸リフトだけでなくほかの選択肢も含めて、あなたに合った方法を一緒に考えます。良い面もそうでない面も知ったうえで、納得して選んでいただくお手伝いをいたします。

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よく似た施術との違い・使い分け

  • HIFU(ハイフ):切らず、糸も入れずに、超音波の熱で皮膚の深い層を引き締める方法です。糸のように物理的に引っかけて持ち上げるのではなく、熱による引き締めをねらう点が異なります。
  • フェイスリフト手術(切開):皮膚を切って余った部分を取り除き、しっかり引き上げる手術です。効果や持続は糸リフトより大きい一方で、体への負担やダウンタイム、費用も大きくなります。強いたるみに向きます。
  • ヒアルロン酸注入:へこみやボリュームの減った部分を「埋めて」ふっくらさせる方法です。下がった組織を引き上げる糸リフトとは、目的も仕組みも異なります。
  • ボツリヌス毒素(ボトックス®)注射:筋肉の働きを弱めて、表情じわなどをやわらげる注射です。たるみを引き上げる糸リフトとは、対象とする悩みが違います。
  • スキンケア・美容医療の外用/内服:肌のはりやきめを整えるケアで、たるみそのものを引き上げる力はありません。日ごろの土台づくりとして、施術と組み合わせて考えることもあります。

出典

  • 美容医療診療指針(令和3年度改訂版)厚生労働科学研究
  • 日本皮膚科学会美容皮膚科・レーザーに関する指針
  • 日本美容外科学会(JSAPS)ガイドライン関連資料
  • 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医薬品副作用被害救済制度の案内